初回面接(インテーク)

面接の時間になるまで、入り口のベンチでお待ちください。準備ができましたら、お声がけします。面接室では、右の写真で手前の椅子に腰かけていただきます。
初めはおいでになった理由を心理学的にどう理解できるか、どのような支援が役に立ちそうか、お引き受けできそうかを、見立てていきます。その結果については、なるべく初回にお伝えできるように努めています。
これまでのことを整理したり、これからの方向性を見通せるなるだけで、満足される方もいらっしゃいます。長く通うつもりはない方も、おいでになってみてください。

カウンセリングと心理療法

私たちは自分のことを話しているうちに、ふだんとは違う見方ができるようになったり、新しい考えが浮かんできます。元気が出てきて、「何とかなるかな」と前に進んで行けるようになります。新しい人生の物語を、ご自分で書いていけることを目指すのがカウンセリングかもしれません。 でも、話せないときもあります。話しても変化が起きないときもあります。話さないと変化が起きないときもあります。
私は<できるところ>から始めて、<役に立ちそうこと>を続けていきたいと考えます。それを支えていくのは、安心感です。描画や箱庭、動作療法など、言葉を使わない方法を提案することがありますが、「やってみよう」と思えないときには遠慮なくお伝えください。

こころを料理にたとえると

色々な料理のレシピが認知です。何を作るかは感情、調理が動作、食材が感覚です。食べたいものが決まったら、レシピに従って食材を調理する。このトップダウンが、私たちにとってなじみのある流れです。 でも食材を集めたりながめたりしてから(動作・感覚)、どうやって食べるかを決めて(感情)、調理法を考える(認知)というボトムアップの流れもあるはずです。
脳神経科学の研究では、ボトムアップが8割、トップダウンが2割とも言われています。料理がうまくできないのは、食材(感覚)が足りないのかもしれません。よく熟れたトマトは色々な料理に使えるし、何ならそのまま食べても美味しいですね。でも「よく熟れたトマトのレシピ」しかなかったら、困ってしまいます。
これまでの心理療法は、トップダウンでした。最終的には食材(感覚)も豊かになるのを目指しますが、まずは何をどのように作るか(感情・認知)に焦点が当てられます。そして調理(動作)に目を向けられることは、ほぼありませんでした。身体志向心理療法はボトムアップで、動作療法もそのひとつです。

動作療法

心理療法のほとんどは言葉を仲立ちにしており、また外国から輸入されたものです。それに対して動作療法は、身体の動きと感じを仲立ちにするもので、故成瀬悟策先生を中心に体系化されました。
身体の使い方は心の働きそのものであり、心の不調があるときには必ず身体の不調も現われます。関節を自由に使えなくなったり、姿勢が変わってきます。動作療法は身体をゆっくり動かすことで、しなやかでたくましい生き方ができるように援助します。
身体の安心感を作れるようになると、問題が気にならなくなったり、思い通りに行動できるようになります。
「話さなくて良い」ので傷つき体験や聴覚障害のある方、あるいは私の怪しい英語でも外国の方に対応できます。肩こりや腰痛を軽くする健康法としても、楽器演奏やイップス、脳卒中後遺症の改善法としても、幅広くお役に立てます。

家族療法

家族の関係がぎくしゃくしたり、家族のことで困っていても、相手の行動を変えることはなかなかできません。でも家族内の関係性を変えることは、案外に簡単にできてしまうことがあります。
地方には家族療法の専門機関がないためか、「こういうことは、どこに相談したら良いか分からなかった」と言われます。たしかに病院でもなく、法律家でもなく、役場でも警察でもありません。希望される方はご夫婦で、あるいはご家族でおいでください。セッションは1コマ(50分)では時間が足りないことが多いので、2コマを続けてお取りになることをお勧めします。